形見となった子供のカタチ

「今日中に子供の手形を取りたいのです・・・明日は納棺なので」

 

ある朝に受け取った電話から1ヶ月ちょっと経って ようやく完成したKei君の手形作品です。

 

その時のブログ「悲しすぎる子供のカタチ」はこちらから⇒

 

 

生後10カ月で亡くなったKei君は病気だったために 手がむくんでいて 粘土にしっかりと押し付けられませんでした。

 

うっすらと手形を押された粘土を目の前にして「作れないかもしれない」と不安で一杯でしたが

 

今回は取り直しが出来ないので どんな形でも残してあげなきゃ、という気持ちでした。

 

何度かやり直しましたが どうやっても不自然な出来上がりで 悩んだまま時間ばかりが過ぎてしまいました。

 

 

そして解決したのがこの形です。

 

指を無理に切り出さずに 粘土を付けたままにすることです。

 

輪郭がぼんやりしている所は 指が浮き出るように立体をはっきりさせました。

 

 

可愛く出来上がって ホッとして眺めていたら 涙が出てきました。

 

ご両親やご家族は どんなに辛い時間を過ごしたことでしょう・・・。

 

 

そしてメールが届きました。

 

 

「これがあの時 最後に皆で取った手形なんだ!と、嬉しくて涙が出てきました。

 

ちゃんと手の凹凸も出ていて、息子の小さく可愛かった手を思い出します。

 

本当に素敵な作品、心から感謝申し上げます」

 

 

 

「本当に本当に かわいらしい作品です。

 

私も届いてからずっと眺めています。

 

きっとこれからも息子の事を思い出しながら 毎日眺める事でしょう。

 

そして息子のことを思う気持ちと共に こんな素敵な作品を作ってくださった仲本さんの事を

 

必ず思い出すと思います。 

 

感謝しかありません。」

 

 

 

こんなに感謝してもらって 陶芸家冥利に尽きるというものです。

 

こちらこそ こんなに大事な仕事を任せて頂いて 心から感謝です。

 

 

Kei君、天国からママとパパの事を見守ってね。