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「今日中に子供の手形を取りたいのです・・・明日は納棺なので」
ある朝に受け取った電話から1ヶ月ちょっと経って ようやく完成したKei君の手形作品です。
生後10カ月で亡くなったKei君は病気だったために 手がむくんでいて 粘土にしっかりと押し付けられませんでした。
うっすらと手形を押された粘土を目の前にして「作れないかもしれない」と不安で一杯でしたが
今回は取り直しが出来ないので どんな形でも残してあげなきゃ、という気持ちでした。
何度かやり直しましたが どうやっても不自然な出来上がりで 悩んだまま時間ばかりが過ぎてしまいました。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=673x10000:format=jpg/path/s7efd993813574f30/image/i58ae972588d614e2/version/1646929325/image.jpg)
そして解決したのがこの形です。
指を無理に切り出さずに 粘土を付けたままにすることです。
輪郭がぼんやりしている所は 指が浮き出るように立体をはっきりさせました。
可愛く出来上がって ホッとして眺めていたら 涙が出てきました。
ご両親やご家族は どんなに辛い時間を過ごしたことでしょう・・・。
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そしてメールが届きました。
「これがあの時 最後に皆で取った手形なんだ!と、嬉しくて涙が出てきました。
ちゃんと手の凹凸も出ていて、息子の小さく可愛かった手を思い出します。
本当に素敵な作品、心から感謝申し上げます」
「本当に本当に かわいらしい作品です。
私も届いてからずっと眺めています。
きっとこれからも息子の事を思い出しながら 毎日眺める事でしょう。
そして息子のことを思う気持ちと共に こんな素敵な作品を作ってくださった仲本さんの事を
必ず思い出すと思います。
感謝しかありません。」
こんなに感謝してもらって 陶芸家冥利に尽きるというものです。
こちらこそ こんなに大事な仕事を任せて頂いて 心から感謝です。
Kei君、天国からママとパパの事を見守ってね。
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